夏タイヤ←→冬タイヤ交換を毎度自分でやっているのですが、締付けは一応トルクレンチを使用しています。古いので同型のはないんですが、近しいのはこんなやつですかね。プレセット型トルクレンチ
ホームセンターのカー用品コーナーによくあるやつです。トルクをセットして、締め付けると、設定トルクで「カクン」となります。
ですが、だいぶ古くなってきて、なんだかすぐ緩むし、押した感じトルクが落ちてるような。そこで、校正(設定トルクで正しくカクンと来るか確認、調整)したいなとずっと思っておりました。(ちなみに業務で使う場合、毎年校正するとか決まっているはず)
校正って専門業者に出すんですが、結構お金かかるし、何なら新品が買える・・・。代替手段を試しましたが、やっぱり信用できないといいますか・・・。近所でトルク測定させてくれる工具屋さんも有るっぽいですが、そこで買ったわけでもなし、全く買い物せずに行くわけにもいきませんし。
自力で何とかできて、一番お手軽で今後も困らなそうなこれを買ってみました。
GOYOJO デジタルトルクメーター 6-200Nm
ラチェットレンチ等の先に付けると、締め付けトルクが測定できる物です。こちらは「カクン」とならないですが、リアルタイムにトルクがわかります。設定トルクに近づくと、音が鳴ったりLEDが光ったりします。
開封の儀
液晶画面部分にゴミが・・・クソ気になる。さすが中華製品。
装着するとこんな感じに。
分解
いきなりやらかしてますが、やっぱりゴミが気になるので、早速分解。 構造は、エクステンションバーにひずみゲージを貼った感じ、でしょうか。ゲージさえ剥がれなければ、わりと精度が長持ちするんではないかと。
調整
トルクレンチの構造
正直良くわかってなかったので、軽くググってみました。
こちらのサイトさんの中で、KTCさんのTwitterが紹介されております。
たくさんの反響ありがとうございます! なぜ?という声が多かったので、少し補足します!
— 【公式】KTC 🔧 京都機械工具株式会社 (@kyototool) 2019年5月29日
「ねじにかかる力」と「カチッとなる力」は、正しい位置に力を掛けることを前提に設定されているため、グリップ位置が変わると誤差が生じ、力の強さや機種によっては作業精度に大きく影響してしまうのです!! pic.twitter.com/3Kr1k6NO6Z
ザックリ言うと、真ん中あたりの、「作用点」の”コマ”のところを調整するんだと思います。
調整作業
手持ちのプレセット型トルクレンチの調整をしてみます。
調整できそうなのはここしか有りません。この辺りに”コマ”が有るんでしょう。このマイナスねじは蓋なので、外します。
6角穴のネジ。反時計回りでトルクアップする感じでした。
110Nmでタイヤを締めてみます。
4輪×5穴締め付けましたが、大体110~115Nmくらいで安定しました。調整は成功のようです。
参考サイトさんに記述がありますが、トルクレンチは力を掛ける位置が変わると、「カクン」と来るトルクが変わっちゃうみたいです。グリップ中央付近を握って作業しましょう。
使い方
目標トルクを設定しておくと、そのトルクに近づいたらLEDとブザーでお知らせ。単位もNm以外にkgfとか色々あります。0に設定すればLEDも音もナシになります。
ピークホールドにしておくと、荷重が抜けたところで表示がストップします。なので、プレセット型トルクレンチが「カクン」となった時のトルク値を保持してくれます。
使用感
トルクメーターの使用感ですが、良かった点と、気になる点を挙げておきます。
良かった点
バックライト付き
夕方とか薄暗いところで大活躍。見やすいですケース付き(電池収納スペース有)
タマにしか使わないので、保管する時、電池は抜かないと液漏れすると思うので、収納スペースがあるのは嬉しい。勝手に消去されないピークホールド表示
ピークホールドは、再度荷重を掛けない限り、数分経っても消えません。優秀です。あれ今いくつだったっけ?ってならないのが嬉しい。他社のはすぐ消えちゃうのもあるみたいなので要注意。
気になる点
ソケットとともに回転してしまう
仕方ないんですが、表示部は固定なので、ソケットが回転すると表示も回転。なので、普通のソケットレンチで使う場合、位置合わせのひと手間が発生します。ブザー音の音量調節ができない スピーカー穴が有るので、塞げば自分で調整できなくもないです。昼間は問題ないと思いますが、時間帯によってはうるさいと思うので、ボリューム調整できたら嬉しいです。
検査証的なものは付属せず 安価なので仕方ないですが、測定器なんで、有ると安心ですよね。出荷時、チェックしてるか心配です。
感想
長年気になっていたことが解消されてスッキリしました。
作業が早いのはやはりプレセット型トルクレンチです。一度設定すれば、カチカチやるだけですし。タイヤ交換はサクサク進みます。
本品のようなデジタル式は、じんわり荷重を掛けなきゃいけないし、画面の方向とか気にしなきゃいけないので、若干不便。
プレセット型は使えば使うほど荷重がずれるので、本品のようなデジタル式の方が正確さが長持ちします。
なので、どちらか片方にしたいなら、本品のようなデジタル式の方が良いかも。ただ、タイヤの締付けのような大トルクをかけるには、長いハンドルが必要です。普通のラチェットハンドルでは長さも足りないし耐荷重も厳しいでしょう。トルクレンチ同等の力で済ませるなら40cm以上は必要です。
ここまで来ると、プレセット型を買っちゃってもいい値段ですね。 最初から合体している、デジタルトルクレンチと言う手もあります。
デジタルトルクレンチは結構お高いです。使い方も今回の製品と同じで、トルク確認は「カクン」とはならず、LEDや音で確認となります。
結論
プレセット型トルクレンチだけ購入しても、だんだん劣化して調整が必要になります。近所の工具屋さんで測定させてくれる所があれば、レンチだけ購入するのも良いと思います。タイヤ交換用の大きさ、トルクのものは、割と安いですし。
私のように自力でやるならば、
- 作業性重視なら、プレセット型 + デジタルトルク計
- 偶に使うだけなら、デジタルトルク計 or デジタルトルクレンチ
と言ったところでしょうか。
オマケ
トルクメーターを買う前、体重計で簡易校正してみました。まあ、何を計っているかわからない感じもあって、絶対オススメできませんが、オマケです。
家の体重計です。
裏に足が4つあります。4つそれぞれを押し込むと体重が上がっていくので、合算して表示しているようです。とりあえず一個だけ使って、トルクレンチを押してみます。
こんな感じで、トルクレンチ後端に体重計の足を乗せ、押し込んでみます。
荷重(kg)×9.8m/s2 × 回転中心~グリップ中央距離(m) = 締め付けトルク(Nm)
⇓
25(kg) × 9.8(m/s2) × 0.415(m) = 101.675(Nm)
トルクレンチの距離がだいたい41.5cmだったので、25kgくらいで押せば大体100Nmになります。 25kgであれば、4倍しても100kgなので、壊れない・・・はず。(この体重計はMax150kg)
結局トルクメーターで見た感じ、これである程度調整できていたんですが、体重計なので、押している途中で測定終了してしまう事が多く、トルクレンチが「カクン」となると荷重がぶれて、安定性に欠けます。ピークホールドしてくれないと・・・。何より、「本当か?」ってなります。
結局、満足できませんでした。